日本政策金融公庫での自己資金の考え方
自己資金とは?
日本政策金融公庫の新創業融資制度には、自己資金10分の1以上という要件があります。
では、その自己資金として認められるものにはどのようなものがあるのかでしょうか。
1.給与等から自分で貯めた資金
これはもちろん自己資金として認められますが、銀行口座にて給与等の振込履歴をしっかり残しておく必要があります。
毎月現金でコツコツ貯めてきたものが手元に300万円あったとしても、日本政策金融公庫からすれば、その300万円が自分で
貯めたものなのか、他から借りてきた300万なのかの判断ができないため、自己資金として認められないケースもあります。
毎月の貯蓄は必ず銀行口座に入金するようにしましょう。
2.親、兄弟からの援助
ご両親等から贈与を受けた資金であれば、自己資金として認められます。
この場合もご両親名義の口座からご自身の口座に振り込むなど、日本政策金融公庫に説明ができるよう履歴を残していただく
必要があります。
3.株式や車両の売却により得た資金
株式や車両など、ご自身が所有の資産を売却して得た資金も自己資金として認められます。
4.退職金
退職金については、すでに受け取ったものだけではなく、これから受け取る
予定のものであっても自己資金として認められます。
ただし、これから受け取る退職金については、金額や支払時期が明記された書面を会社に発行してもらい、
それを日本政策金融公庫に提出する必要があります。
5.保険の解約返戻金
保険の解約返戻金についても、退職金同様に入金済みのものだけでなく、これから入金予定のものについても、
書面で証明できれば自己資金として認められます。
自己資金とクラウドファンディング
こちらをご覧いただいている皆様の中にはクラウドファンディングにて資金調達を検討されている方もいるかと思います。
では、このクラウドファンディングで得た資金は、融資の要件になっている自己資金として認められるのでしょうか?
答えは「NO」です。
クラウドファンディングによって資金を調達できたこと自体は、当該事業のプラス評価になることは間違いないですが、
融資要件としての「自己資金」には含まれません。
まとめ
この自己資金については、今手元にいくらあるのかということだけではなく、「どのようにして貯めてきたのか」という点が
重要視されます。
つまり経営者として計画性があるかどうかがチェックされているのです。